渋野日向子を見るレジェンドたちの眼力がすごい!
また渋野日向子選手が東海クラシックで最終日8打差を逆転優勝という偉業を達成しましたが、
そこに至るまでのレジェンドたちの眼力のすごさを改めて感じたのでまとめてみました。
古閑美保さん
まずは古閑美保さん。古賀さんといえば賞金女王も獲得し、明るいキャラクターで人気選手でした。
男子プロの小平選手と結婚された今も、解説やラウンドリポーターなどで活躍されていますよね。
そんな古賀さんが渋野選手が初優勝した時にコメントしていたのですが、
「この選手は伸びしろの塊です」と評価されていました。
「スイングが素晴らしく、体も強いのでまだまだ距離も伸びる」とも。
その後国内2勝目をメジャーで勝利し、全英女子でも勝利しました。
まさかここまでの急成長は予測はしてなかったでしょうが、
その実力を確実に見抜いていた事はさすがだと思いました。
しかし、「アプローチの技術がまだ未熟、球が軽い」という内容のコメントもされています。
ラフが深いコースや風が強い状態での不安があったのではと思います。
そしてその指摘も的確だったことが日本女子プロゴルフ選手権で明らかになりました。
ラフの深いコースで、フェアウエーやグリーンを外した時の技術が試されるコースでした。
優勝した畑岡紗選手に大差をつけられ渋野選手は33位に終わりました。
渋野選手もトップ選手との技術の差を認めていましたし、
古賀さんがそのあたりも的確に指摘していた事には関心しました。
さすが賞金女王をとった選手ですね。
古賀さんも大好きな選手でした。さすがです!
岡本綾子さん
やっぱりレジェンドと言えばこの方岡本綾子さんですね。
国内44勝、米国17勝、日本、米国での賞金女王を獲得しています。
すごい成績ですよね。改めて尊敬します。
さて、岡本さんも渋野さんに対してはいくつもコメントしています。
渋野さんが初優勝した際には、「久しぶりに面白いゲームを見ました」とコメントし、
「物が違う」と絶賛しています。渋野さんの時代の幕開けとまで言っています。
同じソフトボール選手だった事もあり、ご自身と重なる部分もあったのかもしれませんね。
「物が違う」と見抜いてしまう当たりはさすがにレジェンドです。
一般の方はほとんど彼女の名前も知らなったんじゃないでしょうか。
私も当然知りませんでした。
そして国内メジャーに勝ち全英女子に挑戦した際には、岡本さんはゴルフネットワークで解説をされていました。
渋野選手の切替の速さはソフトブールの経験が活きていると話されていました。
そして、最終日の12番ホール、首位に2打ビハインドの状況で、1オンも狙えるミドルホールに渋野選手が来た時には、「ドライバーで狙え」と心の中で思ったらしいです。
なんのためらいもなくドライバーを抜いた渋野選手を見て「よし!」と思ったらしいです。
池に入れてしまえばゲームオーバーの状況で、安全に狙うべきだと言う意見もあるでしょうが、
あの状況で攻める姿勢を貫いた渋野選手の気持ちの強さがその後の快進撃につながったと話しています。
優勝の瞬間、あのレジェンドの岡本さんを大絶叫させた渋野さんはすごいです。
しかし、この優勝で「状況が激変する」とも指摘し、彼女を取り巻く環境の変化を心配していました。
これもまた、岡本さんの予想通りとんでもないフィーバーを巻き起こす事に。
帰国後も精神的、肉体的に疲れもある中で2試合は優勝争いをするあたりはさすがでしたが、
あまりの過熱ぶりに素人が見てもこの先が心配でしたね。
そして日本女子プロゴルフ選手権ですが、練習ラウンドを終えた選手たちの多くが、
前回よりも距離が短くなっていたこともあって、20アンダー近い高スコアの優勝争いを予想していました。
しかし、ここでもコース設定を担当していた岡本さんは、15アンダーくらいの予想されていましたし、
20アンダーならぶっちぎりになるだろうと予想されていました。
実際に畑岡選手は18アンダーと好成績でしたが、2位は10アンダーでぶっちぎりの優勝でした。
ここでも岡本さんは距離が短いからと言って甘くない、このコースの難しさから的確に優勝スコアを予想されていたことはさすがだと思いました。
そして、デサントレディース東海クラシックの前に渋野さんと話す機会のあった岡本さんは、
「アプローチを練習しなさい。あなたはアプローチが下手だから」と言ったそうです。
渋野さんも岡本さんと話した中で最も印象に残ったと後日話しています。
全英チャンピオンを「下手」呼ばわりするあたりはさすがにレジェンドです(笑)
しかし、この助言後アプローチを練習し、東海クラシック最終日の16番ホールでのチップインバーディーにつなっがったのではないかと思います。
あれだけ苦労した前週のラフからのアプローチを、優勝争いの中であっさりと修正してくるあたり並みの選手でないことは間違いありませんね。
やっぱりレジェンドの言葉は重みがあります。さすがです!
樋口久子さん
やはり日本の女子ゴルフ会のレジェンドはこの方樋口久子です。
国内69勝、米国3勝(メジャー1勝)その他3勝という過去最高の成績を残されている方ですからね。
全英女子オープンのテレビ解説が圧巻でした。
最終日トップでスタートした渋野選手が前半で4パットのダブルボギーをたたいてしまって、
日本のファンのほとんどが優勝をあきらめたと思います。
午前1時くらいでしたからその時点で寝てしまったという人も翌日何人かに聞きました。
トップのサラス選手が完璧なゴルフをしていましたから、解説の戸張さんの言葉からも厳しいなーって感じが伝わってきました。
しかし、樋口さんは「彼女は切り替えが早いし、これがゴルフだから前半に出たからよかった。」と言っていました。
そして、トップに追いつくのにはどうしても取りたい15番でのアプローチは微妙な難しい距離が残ってしまった際も、「このくらいが思い切って打てるからいい」と言った通りに見事バーディーを取りました。
これには戸張さんもさすが樋口さんと感心していました。
その後も微妙なパーパットの際も渋野さんなら問題ないって言った通り確実に決めて来ました。
なにより驚いたのが18番のサラス選手のバーディーパット。
この日は絶好調で2打目も完璧にバーディーチャンスにつけると、これが入れば渋野選手がリードされる状況でしたから、私も間違いなく入れるだろうと思ってました。
解説の戸張さんも間違いなく入れてくるだろうという感じでした。
しかし、ここでも樋口さんは「短いけど今までと同じ気持ちで打てるか」優勝がかかる1打はわからないと言った通り、まさか外してしまいました。
戸張さんもさすが百戦錬磨は違いますねと感心しきりでしたね。
渋野選手が最後のバーディーパットをあっさり入れてしまうとは予想はされてなかったでしょうけど、
この放送を聞いていてやっぱりすごいなと思いました。
そして、その後の国内戦でのプロアマで渋野選手と一緒にラウンドした際に、パットのアドバイスで、
「調子のいいときは何も考えなくていいからね」と言うアドバイスも渋野選手の心には響いたのではないかと思います。
あの戸張さんもタジタジ(笑)さすがです!
上野由岐子選手
そして最後はソフトボール会のレジェンド上野由岐子選手。
ゴルフよりソフトボールが好きという渋野選手のあこがれの選手で有名ですが、その対談がまた良かったですね。
全英優勝後も笑顔で変わりなく振舞っているように見えましたが、この時には正直に葛藤があった事を上野選手に話しています。
誰が考えても一夜にして環境が激変したわけですから平常心でいることの方が不思議です。
いくら気持ちが強いとはいっても二十歳の女の子ですからね。
国内だけではなく、アメリカでは167万人が視聴していたらしいですから全世界から注目される選手になったわけですから。
上野選手も北京オリンピックで金メダルを獲得して国民的な英雄になりました。
一度はオリンピック競技からもソフトボールがはずれたりと色んな状況があったにもかかわらず、
現在も第一線で活躍し続けてる上野選手の経験から渋野選手に贈った言葉が素敵でした。
渋野選手も重圧の中でモチベーションを保つのが難しいと感じているようでしたが、
上野選手は「いかに自分が心を満足して1日を終わせらるかを考えていると意外と長続きする」とアドバイス。
渋野選手もポジティブな考えで行こうと少しすっきりしたような表情にも見えました。
その後の東海クラシックではなんと8打差をの逆転勝利。
一報を聞いた上野選手は驚きながらも「上野のおかげだと言ってほしい」と冗談も飛び出しましたが、
心から祝福している様子がわかりました。
上野選手の言葉通り、本来の楽しんでアグレッシブに攻める渋野選手が見られましたし、
どんな分野でも頂点を極めたレジェンドの一言には重みがあるなと感心しました。
上野選手と一緒にオリンピックで活躍してほしいです。